形は整った。あとは公開、というところで、もうひとつ欲が出た。
眺めて、引いて、終わり。それだけの辞書では、もったいない。見に来た人が「知りたい言葉」を教えてくれて、それが後日、辞書に加わっていく。育っていく用語集に、できないか。
参加してもらうのに一番いい瞬間は、すぐに見つかった。探したのに、なかったときだ。検索して0件だった人は、いままさに、その言葉を知りたがっている。そこで0件の画面にリクエスト窓を付けた。探した言葉が入力済みで、ボタンひとつで送れる。一覧の下にも常設の小窓を置いた。のせてほしい言葉、ありますか。
裏側は、Googleフォームにした。ページから動かずに送信できて、こちらには回答として溜まり、メールでも飛んでくる。専用の仕組みを作ればお金がかかるところ、ゼロ円の原則はここでも守られた。
そのフォームを作っている最中に、小さな遭遇があった。新規作成の画面を開いた途端、Geminiが現れて、AIでフォームを作りましょうと迎えてきたのだ。用語集のGeminiの項に「新しく始めるより、もう始まってた」と書いたばかりだった。自分の書いた説明の実演に、作業の途中で出くわした格好だった。
設定には罠がひとつあった。「回答を1回に制限する」をオンにすると、回答にGoogleへのログインが必須になり、ページからの送信が黙って失敗する。ここを外して、いよいよ送信テストになった。
記念すべき最初のリクエストとして届いた言葉は、「ずんだもん」だった。二件目は、スマホから送った「ずんだまみ」。どちらも、たしかに届いていた。育つ辞書の一歩目がずんだ餅の妖精なのは、うちの「余白」らしくて、悪くない。
最後に、診断ツールの下に同じテイストの入口カードを置き、用語集の一番下には「試して、公開する。」へ戻るリンクを付けた。行きの道と、帰りの道。これで迷子は出ない。
引く辞書として企画され、叩く辞書に作り直され、育つ辞書として公開された。この用語集が何語まで育つかは、もう、こちら側だけでは決められない。
(AI用語集は、こちらから引けます → https://san-gaku.com/ai-word/)
(おわり)

