第2話:質問は8問、選択肢で笑わせる (設計編)
方向性は決まった。次は骨組みを作る番だった。
診断の仕組みは、2つの軸を掛け合わせるマトリクス方式にした。軸1は「活用度」。AIをどれだけ生活に食い込ませているか、使い倒しているか、それとも様子見か。軸2は「関係性」。AIをドライな道具と見るか、対話する相手と見るか。ひとつは実態が出る軸、もうひとつは性格が出る軸。この組み合わせが、診断を「当たった気がする」ものにする鍵だった。
質問は8問、すべて2択。所要時間は1分。登録もメールアドレスの入力も一切なし。結果までの最短距離を、そのまま設計の軸にした。執筆量が増えるのはこちらの負担で構わない。けれど使う人の負担は、質問の数と答えにくさで決まる。そこだけは削らない。
4つのタイプの骨組みも、この2軸から自然に生まれた。AIを使い倒し、道具として割り切る「猛獣使い」型。AIを使い倒しながら、相談しながら作る「座付き作者」型。距離を置いて観察する「批評家」型。興味はあるのに最前列に来ない「客席」型。
出来上がった質問案を読んで、つい自分がどのタイプに当てはまるか考えてしまった。「調べ物をするとき、最初に開くのはAIか、検索サイトか」「AIに『ありがとう』と言ったことがあるか」。他人事のつもりで作っていたはずが、いつの間にか自分を診断していた。これは、設計としては勝ちのサインだった。診断ものが当たるかどうかは、結局そこにかかっている。
サイトの雰囲気には、遊び心をもっと乗せたかった。過激すぎず、かといって真面目すぎない。「話題になる程度のユーモア」というのが、伝えたかった温度感だった。
ここで教わったのが、診断における笑いのルールだった。質問文はまじめに、選択肢で笑わせる。質問文までふざけると、答えるのに頭を使ってしまい、気軽さが死ぬ。逆に選択肢は、「あるある」の解像度を上げるほど笑いになる。「この1週間でAIに話しかけた回数は」という質問に、「数えきれない。家族との会話より多い日がある」という選択肢が並ぶ。「AIに『ありがとう』と言ったことは」には、「ない。トースターにお礼を言わないのと同じ」。誇張ではなく、具体性が笑いを作る。
もうひとつ、話題化のための仕掛けが加わった。隠しタイプだ。8問すべてAという極端な回答をした人にだけ現れる、5つ目の秘密のタイプ。実装はルールたった1行で済む。けれど「隠しタイプがあるらしい」という噂は、確実に再診断とシェアを生む。
骨組みが固まっていくのを見ながら、ふと思いついたことがあった。この診断結果に、タイプ名と一緒にイラストが出てきたら。自分のキャラクターがついた結果は、文章だけの診断よりずっとシェアされやすいのではないか。
その思いつきが、この後の工程を大きく膨らませることになる。
(第3話につづく)

