Geminiが使えなかったのは、私のせいだった。
153ファイルをドライブに移し終えて、早速Geminiに投げた。「全部読んで、私がやり残している仕事を教えてほしい」
答えは、微妙だった。
一つのプロジェクトのことしか拾ってこなかった。情報も少し古かった。期待していたような「横断的な洞察」ではなく、どこかのファイルを表面的になぞった回答が返ってきた。
「Geminiはだめか」と思った。
そうではなかった。あとでClaudeに話して、気づいた。
「全部読んで、やり残した仕事を教えて」は、人間に言っても困る質問だ。範囲が広すぎて、どこから答えればいいかわからない。Geminiが偏った答えを返したのは、私の質問が漠然としすぎていたからだ。
では、何を聞けばよかったのか。
Claudeと話しているうちに、一つのアイデアが浮かんだ。「取扱説明書」だ。
Claudeはセッションが終わると、記憶の多くが失われる。毎回「私はこういう人間で、こういう仕事の進め方で」と説明し直すのは非効率だ。ならば一度きちんと「私という人間の説明書」を作って、ClaudeにもGeminiにも参照させればいい。
153ファイルの苦戦日記は、その材料として使える。
4つの項目を設計した。「①価値観、②AIとの協業経験、③AIへの期待・要望、④アイデア・構想」。
今度はこの枠組みでGeminiに投げてみることにした。
(第3部「Geminiが、私のことを知っていた。」へ続く)

