第1話:欲張りな注文から始まった (企画編)

「あなたのAI活用タイプ診断」を公開してから、まだそれほど経っていない頃だった。

「余白」に次のネタが欲しくなって、また久しぶりにFable 5(Claudeのモデルのひとつ)と壁打ちの時間を取った。今度のお題は「AI用語集」。簡単な言葉から難しい言葉まで、幅広く網羅した、検索性の高いツール。

ただし、注文はそれだけでは終わらなかった。構築や公開にお金をかけないこと。そして公開したあとも、専用の「管理画面」のような場所から、自分で言葉を足したり直したりできること。検索性が高くて、しかも育てていける。そんな欲張りな条件をひとつの企画に詰め込んでいた。

返ってきたのは、賛成でも作業開始でもなかった。「その二つは、普通は両立しません」という指摘だった。

検索の快適さを優先すると、用語のデータはツールのコードの中に埋め込まれる。ページ自体を作り直さない限り、追加も修正もできない。逆に更新のしやすさを優先すると、今度は検索の作り込みが甘くなる。両方を同時に、というのが、そもそも無理のある注文だったらしい。

代わりに、3つの案が出てきた。ひとつは、Googleスプレッドシートを「管理画面」に見立てる方式。ふたつめは、WordPressの投稿機能を使い、用語ひとつを記事ひとつとして登録していく方式。三つめは、まずスプレッドシート方式で軽く始めて、アクセスの多い言葉だけをあとから記事化していく、折衷案。

薦められたのは、ひとつめ、将来的には三つめへ、という進め方だった。「余白」という位置づけなら、重く作り込むより、軽く出して育てていく方が向いているはずだと。

ここまでは、比較的すんなり進んだ。詰まったのは、そのすぐあとに出てきた、もっと個人的な話だった。スプレッドシートという言葉に、自分はずっと苦手意識を持っていた。

(第2話につづく)

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