第2部 第5話:サイトの顔になった

機能はできた。残るは見た目だ。Claudeから「どの方向に仕上げますか」と選択肢が出てきたが、正直に言って、私にはどれが「散楽っぽい」のか判断がつかなかった。だから丸投げした。「散楽っぽい見た目ってどれだ?お任せします」。色はサイトに合わせてほしい、とだけ添えて。

ここでClaudeが取った行動が、今回いちばん印象に残っている。

私のChromeで新しいタブを開き、散楽のサイトを自分で見に行ったのだ。そして戻ってきて、こう報告してきた。メインカラーは#a89070、落ち着いた金茶色。背景は#f7f5f2、温かみのある生成り色。フォントはNoto Sans JP。「散楽っぽさ」はこの金茶と生成りの空気感だと判断しました——。

自分のサイトの色を、6桁の記号で言われたのは初めてだった。私はこの色を「なんとなく和風のベージュ」としか認識していなかったのに、向こうは設計図の数値で把握してきた。丸投げした側としては、ぐうの音も出ない。

数分後、新しいデザインができた。生成り色の背景に、白いカードが並ぶ。カードの見出しに触れると金茶色に変わる。メディア名の札も金茶の薄敷き。ニュースの「窓」なのに、窓に見えない。ページの続きに見える。

WordPressに窓を置いて、公開した。

新旧を並べた画面は、なかなかの見ものだった。上には旧プラグインの「によって RollNuts に 2:23 AM に」が同じ記事を2回ずつ表示し、下には新しい窓が、朝日新聞からロイターまで今日のAIニュースを整然と並べている。同じページの中に、2か月分の距離があった。

スマホでも確認した。白いカードはそのまま、きれいに並んでいた。ギズモードの「初代Mac型時計」の記事も、ちゃんと混ざっていた。私のわがまま枠である。

第3回の終わりに書いた一文を、もう一度引く。「完成した」という感覚は、まだない——。

今回も、完成したとは思っていない。ソースはまた入れ替えるだろうし、フィルタも育てていくことになる。ただ、決定的に変わったことがひとつある。2か月前のページは「触るのが怖い場所」だった。どこをいじれば何が起きるのか、わからなかったからだ。今のページは「直せる場所」になった。どこに何が書いてあって、何行目を変えれば何が変わるか、対話の記録が全部残っている。

変わったのはAIか、私か。たぶん両方だ。AIは調べてから提案するようになり、私は作る前に実験するようになった。どちらが先に変わったのかは、もう思い出せない。

試行錯誤。は、これからも続く。

※AI関連ニュースは「こちら」からも見られます

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次